FA機器やロボットを導入する際、「カタログスペック上は要件を満たしているのに、自社の現場ではうまく稼働しない」というケースは少なくありません。対象物(ワーク)の個体差、光の反射具合、周辺設備との干渉など、現場特有の条件は多岐にわたります。事前に実機やシミュレーションを用いた検証を行うことで、こうした稼働リスクを洗い出し、本格導入前に対策を打つことが可能になります。
自動化設備の導入には多額のコストがかかります。導入前検証を通じて、「実際のタクトタイム(生産スピード)はどの程度か」「エラーの発生率はどのくらいか」といったデータを取得できれば、机上の計算だけではない、より精度の高い費用対効果の予測が可能になります。これにより、過剰投資を防ぎ、適切な設備選定へと繋がります。
検証プロセスは、機器の性能を確かめるだけでなく、現場の作業員が「実際に使いやすいか」を確認する機会でもあります。テスト稼働を通じて、操作盤の使い勝手やメンテナンスのしやすさなどを評価し、現場の運用に寄り添ったシステム設計へと反映させることができます。
近年主流になりつつあるのが、専用のソフトウェア空間に工場のラインを再現し、仮想的にロボットや装置を動かして検証する手法です。実機が完成していなくても、動作軌跡の確認、サイクルタイムの算出、周辺機器との干渉チェックなどをPC上で行うことができます。手戻りのリスクを設計段階で大幅に軽減できるのが強みです。
メーカーからテスト機を借り受けたり、自社の現場に一時的にデモ機を設置したりして行う検証です。特に画像処理システムを用いた外観検査や、特殊な形状の部品を把持するロボットハンドなど、物理的な条件が結果を大きく左右する工程において有用です。実際のワークを用いて、精度や認識率をシビアに確認します。
自動化の専門家であるSIerが保有するテストラボ(検証施設)にワークを持ち込み、プロのサポートを受けながら検証を行う手法です。複数のメーカーの機器を組み合わせてテストできる場合も多く、自社に適したシステム構成を客観的な視点で比較検討できるメリットがあります。
なんとなく機器を動かして「良さそう」で終わらせないためには、「何をクリアすれば導入に踏み切るか」という定量的な評価基準を事前に設定しておくことが重要です。例えば「処理時間が〇秒以内」「良品の誤検知率が〇%未満」など、具体的な数値目標を関係者間で共有しておきましょう。
検証で良い結果が出ても、現場に持ち込んだ途端にエラーが多発することがあります。これを防ぐためには、綺麗なサンプル品だけでなく、現場で実際に発生する傷や汚れのある不良品モデルや、形状のバラつきがあるワークを用意し、より厳しい条件でテストを実施することが求められます。
導入前の検証は、一見すると手間や時間がかかるプロセスに思えるかもしれません。しかし、導入後に大きな不具合が発覚した場合の修正コストや生産停止のリスクを考慮すれば、事前の検証こそが手堅いリスク管理と言えます。
適切な検証方法を選び、条件を整えることで、安心してFA機器の導入を進めることができます。
もし「自社でどのような検証を行えばよいか分からない」「テスト環境を用意できない」とお悩みの場合は、導入前から手厚くサポートしてくれる専門企業へ相談するのもひとつの手段です。
現場の課題に合わせた検証や提案に強いパートナー企業として、以下の情報もぜひご活用ください。
今自動化したい工程には、その工程ならではの課題があるはずです。だからこそ、各工程の悩みに応じた実績やノウハウを持つ企業に相談することが、現場の負担を減らし、効率的に稼働できる自動化への近道になります。
当サイトでは、構想段階で不安の多い工程でも、自社の状況に置き換えやすい事例を提示できる、工程ごとの強みと対応力を持つ3社をピックアップしています。ぜひ参考にしてみてください。
工場ラインの自動化では、工程ごとに「属人化」「スペース制約」「精度の安定」など異なる悩みがあります。設計・提案だけでなく、現場ヒアリングから設置・保全・アップデートまで一貫対応する企業こそ、課題を根本から解決できます。
ここでは、そうした対応力を備えた東海エリアの3社を工程別にピックアップしています。
不良品の検出には、工程ごとの流し方・止め方・向きといった動きの把握が不可欠。サカエは、検査を含む多様な工程で150社・1500台超※の自動化設備導入を支援してきた知見から、成立条件を踏まえた提案が可能です。
特定メーカーに縛られない提案型商社として、機器やソフトを柔軟に組み合わせ、属人化しがちな検査工程も、再現性ある仕組みとして構想・テスト・設置まで一貫対応します。
スペース制約が課題となる搬送工程では、装置の動きを踏まえたレイアウト構想力が求められます。TO WARDS-FUTUREは、専用コンベアからAGV/AMR/AGF、多軸ローダまで柔軟に選定し、搬送ルートや配置をゼロから設計します。
レイアウト条件に応じて、搬送手段そのものを柔軟に設計できるため、現場に適したライン構成を、既製品にとらわれずに実現します。
段替えや品種切替が前提の組立工程では、装置の柔軟性は必須。名古屋精工は、ロボットハンドを含むフルオーダー設計により、多品種・小ロットに対応した段替えレスのシステムの製造実績が豊富。
製品変更や他社機の改造にも柔軟に対応できる体制で、変化が前提の現場でも、将来を見据えた組立自動化を構築します。