logo

人手不足を解消する工場ライン自動化の方法

製造業において慢性化する人手不足を解消するために、工場ラインの自動化がどのように貢献できるかについて紹介。製造業の実態や人が集まらない背景などに触れながら、「人手が足りない…でも生産は止められない」という製造現場の悩みを解決するための方法を段階的に解説します。

目次
全て表示

製造現場の実情

求人を出しても人が来ない

経済産業省「2024年度版ものづくり白書」によると、製造業の就業者数は2022年の1,044万人から2023年には1,055万人へと増加したものの、人手不足感は依然として強まっています。

中小企業における産業別従業員数過不足DIは、2020年に一時的にプラス(過剰)を示したあと再びマイナスに転じ、2023年には▲20.4と、コロナ前の2019年よりも深刻な水準にまで悪化しています。

このほか、ものづくりの現場では、「募集しても応募がない」「早期離職率が高い」などの理由から、特に中小企業では慢性的に人材確保が難しくなっています。

参照元:経済産業省/【PDF】2024年度版ものづくり白書(https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2024/pdf/gaiyo.pdf)

 

現場のベテランに頼っている

若年就業者(34歳以下)は2002年の384万人(全就業者に占める32.6%)から減少し続け、2023年には259万人(同24.9%)まで落ち込みました。一方、高齢就業者(65歳以上)は同期間に58万人(同4.7%)から90万人(同13.6%)へと大幅に増加しています。

このように、60代以上の熟練作業者が製造現場を支える構造が全国的に続いており、若年層の減少とあいまって属人化が加速しています。

参照元:経済産業省/【PDF】2024年度版ものづくり白書(https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2024/pdf/gaiyo.pdf)

 

工程の自動化が進んでいない

手作業主体のままでは「人がいない=生産できない」という事態が常態化しがちで、急な欠勤によってライン停止リスクが高まります。また、手作業依存のままでは品質のムラや生産性の低下も避けられないため、工程の自動化やロボット導入が急務です。

作業負荷が大きく、離職が続く

人手不足により、重量物の取り扱いや単純作業が増えると作業負荷が一段と重くなり、放置される業務も出てきます。加えて、肉体的・精神的ストレスの蓄積は現場の離職率を押し上げる要因となるため、作業環境の見直しや負荷軽減のための自動化・効率化が不可欠です。

なぜ人が集まらないのか

価値観の変化と
製造業のイメージ

製造業の現場には、いまだに「きつい・汚い・危険」といった古いイメージが根強く残っているため、特に若者の就業が妨げられる傾向があります。従前は、労働集約型で、体力的に厳しい作業や危険を伴う作業も多く、肉体的・精神的負荷が大きい仕事でした。しかし、現在では、自動化やロボット技術などの導入により、作業者の負担を軽減できるため、そのことをもっとアピールする必要があります。

他業種との競争に負けている

製造業の現場に人が集まらない理由の1つとして、多業種との競争に負けているという根本的な問題があります。物流や飲食、ITなどの業種では、短期勤務や柔軟な働き方が導入されているため、求職者にとって魅力的な選択肢が広がることに。これに対し、勤務時間の固定化や肉体的負担が大きい製造業は、選ばれにくい職場になりつつあります。

地域の人口減少と高齢化

人口減少と高齢化は全国的な問題ですが、地方の労働人口の減少は特に深刻です。若年層の都市部流出もあり、地域全体の働き手そのものが不足している状況がみられています。そのため、求人を出しても応募がないという、雇用の絶対数不足に悩む声も。このように、地方の製造業は、人材確保において構造的な課題を抱えているため、地域社会全体での取組が求められています。

少人数運営で
一人当たりの負担が重い

人手不足が常態化するなかにおいては、少人数で複数の工程をこなす「少人数・多工程」体制が当たり前となることがあります。その結果、作業者1人当たりが担う業務範囲が広がり、体力的・精神的負担が重くなることも。なかでも、繁忙期に長時間労働が避けられず、離職につながることも少なくありません。また、過重な負担が予想される職場は、求職者から敬遠される要因にもなります。

生産性を落とさないために
考えるべきこと

工程ごとの
“置き換え可能性”を見る

すべての手作業を自動化で賄うことは難しいかもしれませんが、単調作業の繰り返しや判断基準が明確な作業については、自動化や省力化が可能です。例として、検査や組立の一部工程、材料の供給や短距離間の搬送などは、センサーやロボットでの代替による対応が進めやすい領域。一方、熟練の判断や柔軟な対応が必要な工程は、引き続き人による作業が必要です。

人材を探すより工程を見直す

無理に人材を確保しようとするよりも、作業内容や工程を見直し、不要な作業の削減や作業の一部自動化などによる置き換えを優先した方が、持続的な改善につながります。人に依存する体制から脱却し、工程そのものの合理化を図ることにより、限られた人材でも最大限の効果を発揮できるライン設計を実現することが可能です。

構想がなくても相談してよい

従来は、「構想や図面を固めてから自動化へ」という考え方が主流でしたが、近年では、まだアイデア段階や具体的な構想がない状態からでも相談できる企業が増えています。また、課題を一緒に洗い出して、自社に最適な自動化をゼロから提案してくれる企業も。そのため、より実態に合った改善策や省人化・省力化のヒントが得られやすくなります。

段階的な自動化なら
リスクが小さい

すべての工程を一括自動化しようとすると、多額なコストや現場の混乱が発生することがあります。一方、ライン丸ごとではなく、1工程・1台ずつ導入するスモールスタートの手法を採用することにより、段階的な自動化が可能に。これにより、投資リスクを抑えられるだけでなく、生産性向上と作業者の負担軽減の両立を図ることができます。

工場の自動化は、ライン全体を一気にやる必要はありません。まずは“どの工程から進めるべきか”を一緒に考えてくれる企業を選ぶことが大切です。

工程別に考える、
自動化成功ポイントとは?

今自動化したい工程には、その工程ならではの課題があるはずです。だからこそ、各工程の悩みに応じた実績やノウハウを持つ企業に相談することが、現場の負担を減らし、効率的に稼働できる自動化への近道になります。

当サイトでは、構想段階で不安の多い工程でも、自社の状況に置き換えやすい事例を提示できる、工程ごとの強みと対応力を持つ3社をピックアップしています。ぜひ参考にしてみてください。

今後の製造業に予想される変化

人手に依存する工場は
維持が難しくなる

製造業界では、今後、労働集約型のままでは、慢性的かつ深刻な人手不足により、必要な人材を確保できなくなります。また、人手に依存し過ぎると、生産計画が安定せずに、納期遅延や品質低下のリスクが高まることに。さらに、作業の属人化が加速すると、品質のばらつきや教育負担も増加。そのため、人が集まらなくても回る工場への転換が求められます。

“自動化できない工程”を
どう残すか

複雑な判断や繊細な手作業が必要な工程を含めて、すべてのライン工程を自動化することは現実的ではありません。どんなに自動化技術が進歩しても、人にしかできない工程は今後も残り続けます。そのため、自動化できない工程を安全かつ安定して維持するために、作業環境の整備や補助機器の導入、負担軽減などへの工夫など、適切な仕組みや体制づくりが不可欠です。

“雇う”から“支援される工程”へ

今後の製造業では、すべての工程を担う人を雇うことではなく、現場で働く人が支援される工程へと発想を転換する必要があります。限られた人材で安定した生産を実現するためには、「人がやるべきこと」と「機械やロボットに任せること」を明確に分けることが成功を左右することに。単純作業の支援やデジタルツールによる判断支援により、人はより繊細で複雑な判断を要する作業に集中することができます。

まとめ

「今いる人が働きやすい」
体制づくりへ

製造業の現場は、将来的にも人材確保が難しい時代が続く可能性があることから、人材確保よりも今いる作業者で生産を持続できる仕組みづくりが重要となります。そのためには、自動化による作業負担の軽減や業務効率化、柔軟な働き方の推進など、今いる人が無理なく長く働くことができる体制や働きやすい労働環境の整備が必要です。

工程を見極め、相談先を選ぶ

製造現場における人手不足の問題を解消するには、自動化が有効です。しかし、ライン丸ごとの一括導入は、コストや現場の負担も大きくなるため、何を自動化するか、どの企業に相談するかを見極めることが重要。自社に合った自動化を一緒に考えてくれる企業であれば、導入の成功率が大きく変わります。

どの工程から自動化を進めれば効果的かは、自社の課題や現場状況によって異なります。

このサイトでは、工程別におすすめの相談先企業を紹介しているので、人手不足を解消するための自動化について、「まず何を相談すればいい?」という方は、以下のリンク先を参考にしてください。

【東海版】
工程ごとに選べる

現場課題に強い3社

工場ラインの自動化では、工程ごとに「属人化」「スペース制約」「精度の安定」など異なる悩みがあります。設計・提案だけでなく、現場ヒアリングから設置・保全・アップデートまで一貫対応する企業こそ、課題を根本から解決できます。

ここでは、そうした対応力を備えた東海エリアの3社を工程別にピックアップしています。

検査
熟練検査員レベルの
検査ラインの自動化を実現
サカエ
検査/導入前イメージ 検査/導入後イメージ
特徴

不良品の検出には、工程ごとの流し方・止め方・向きといった動きの把握が不可欠。サカエは、検査を含む多様な工程で150社・1500台超※の自動化設備導入を支援してきた知見から、成立条件を踏まえた提案が可能です。

特定メーカーに縛られない提案型商社として、機器やソフトを柔軟に組み合わせ、属人化しがちな検査工程も、再現性ある仕組みとして構想・テスト・設置まで一貫対応します。

搬送
省人・省スペースな
搬送ラインの自動化を実現
TO WARDS-FUTURE
搬送/導入前イメージ 搬送/導入後イメージ
特徴

スペース制約が課題となる搬送工程では、装置の動きを踏まえたレイアウト構想力が求められます。TO WARDS-FUTUREは、専用コンベアからAGV/AMR/AGF、多軸ローダまで柔軟に選定し、搬送ルートや配置をゼロから設計します。

レイアウト条件に応じて、搬送手段そのものを柔軟に設計できるため、現場に適したライン構成を、既製品にとらわれずに実現します。

組立
多品種にも柔軟に対応できる
組立ラインの自動化を実現
名古屋精工
組立/導入前イメージ 組立/導入後イメージ
特徴

段替えや品種切替が前提の組立工程では、装置の柔軟性は必須。名古屋精工は、ロボットハンドを含むフルオーダー設計により、多品種・小ロットに対応した段替えレスのシステムの製造実績が豊富。

製品変更や他社機の改造にも柔軟に対応できる体制で、変化が前提の現場でも、将来を見据えた組立自動化を構築します。