生産自動化は、製造に関する業界全体の競争力を左右する重要なテーマとなっています。なかでも溶接工程は自動車工場において、車体の品質や生産性を大きく左右する中核部分であり、産業用ロボットの導入が進んでいます。
ここでは自動車工場を例に、溶接加工の自動化のメリットや導入のポイント、効果などについて徹底的に解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
自動車工場における溶接工程では、自動車の骨格に相当するメインフレームを溶接によって接合するという作業を担います。実際に行われる作業は極めて多くの、また複雑な形状の箇所を短時間かつ高精度で溶接することが求められます。自ずと人間の手作業では限界があり、産業用ロボットによる自動化技術の導入が進んでいる領域であるというのが、大きな特色となっています。
かつての自動車工場においての溶接工程は、熟練職人の腕の見せ所でした。しかし、施術者の熟練度や体調といった要素に影響され、どうしても仕上がりのレベルにバラつきが生じてしまっていました。その点、産業用ロボットによる自動溶接であれば、人間が作業することによる不確定要素に左右されず、常に均一な仕上がりを実現可能。生産ラインでの不良品発生率を大きく低減させ、工場全体の品質向上にも大きく寄与します。
人間が手作業で溶接作業を行うという場合、一日に拘束できるのは8時間であり、もちろん適度に休憩時間も設けなければなりません。休日や休暇についても然り。一方、産業用ロボットであれば24時間稼働させることも可能。生産量を大きく引き上げることができます。またスポット溶接用とアーク溶接用など、複数のロボットを並行して稼働させることもでき、短納期生産や多品種少量生産といったニーズにも柔軟に対応できます。
溶接作業を行う現場は、高温や火花にさらされ、また有毒ガスが発生する危険性もあるため、職人が作業する際には、厳格な安全対策が求められ、作業自体も過酷なものとなります。その点、産業用ロボットによる溶接作業であれば、そうしたリスクから人間を開放することができ、ひいては従業員が労働災害を被ったり、健康被害を生じるといった事態も抑制することができます。
少子化の加速に伴う人手不足やベテラン職人の高齢化に伴う退職など、自動車工場に限らず様々な生産現場が直面する人的資材枯渇の問題。溶接用の産業用ロボットの導入は、まさに、そうした問題を解決してくれる有力手段。生産性の大幅な向上はもとより、将来的な人件費やトレーニングコストの削減という効果も期待できます。

こちらは静岡県東部を所在地とする自動車部品工場での事例。同工場では9年前に溶接用ロボットを導入していたものの、使用頻度の高さもあり、早めに最新式ロボットへ更新することを決断。更新された最新の溶接ロボットはデジタル電源によってアークがより安定し、溶接品質のさらなる向上とタクトタイムの短縮を実現。溶接不良の発生も抑制できているとされています。

こちらは外資系の大手重機メーカーの日本法人での事例。油圧ショベルのメインフレームの製造ラインに、ツインロボットの高速溶接ロボットシステムを導入。人の手による作業工程の減少はもとより、工程全体の大幅な改善を実現。生産能力は24%向上、面積生産性は44%改善、サイクルタイムは約35%低減という成果がもたらされたとされています。
以上の通り、自動車工場において溶接工程を自動化することは、品質、生産性、安全性、コストなど幅広い面で大きなメリットをもたらしてくれることが期待できます。今後とも自社工場の持続的な競争力維持を図るには、現場改善と新技術導入を両立させることが鍵であり、溶接ロボットの導入はまさに、その手段に他なりません。自社工場が抱える問題や工程、製品の特性に合わせて、有効な解決策を提案してくれる企業を探してみてください。
今自動化したい工程には、その工程ならではの課題があるはずです。だからこそ、各工程の悩みに応じた実績やノウハウを持つ企業に相談することが、現場の負担を減らし、効率的に稼働できる自動化への近道になります。
当サイトでは、構想段階で不安の多い工程でも、自社の状況に置き換えやすい事例を提示できる、工程ごとの強みと対応力を持つ3社をピックアップしています。ぜひ参考にしてみてください。
工場ラインの自動化では、工程ごとに「属人化」「スペース制約」「精度の安定」など異なる悩みがあります。設計・提案だけでなく、現場ヒアリングから設置・保全・アップデートまで一貫対応する企業こそ、課題を根本から解決できます。
ここでは、そうした対応力を備えた東海エリアの3社を工程別にピックアップしています。
不良品の検出には、工程ごとの流し方・止め方・向きといった動きの把握が不可欠。サカエは、検査を含む多様な工程で150社・1500台超※の自動化設備導入を支援してきた知見から、成立条件を踏まえた提案が可能です。
特定メーカーに縛られない提案型商社として、機器やソフトを柔軟に組み合わせ、属人化しがちな検査工程も、再現性ある仕組みとして構想・テスト・設置まで一貫対応します。
スペース制約が課題となる搬送工程では、装置の動きを踏まえたレイアウト構想力が求められます。TO WARDS-FUTUREは、専用コンベアからAGV/AMR/AGF、多軸ローダまで柔軟に選定し、搬送ルートや配置をゼロから設計します。
レイアウト条件に応じて、搬送手段そのものを柔軟に設計できるため、現場に適したライン構成を、既製品にとらわれずに実現します。
段替えや品種切替が前提の組立工程では、装置の柔軟性は必須。名古屋精工は、ロボットハンドを含むフルオーダー設計により、多品種・小ロットに対応した段替えレスのシステムの製造実績が豊富。
製品変更や他社機の改造にも柔軟に対応できる体制で、変化が前提の現場でも、将来を見据えた組立自動化を構築します。