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工場ライン自動化のレベル別導入ステップ

工場ライン自動化は、どこから始めるべきかを悩んでいる方向けに、自社の現在の段階を正確に把握するために、自動化レベルという考え方があることについて紹介。また、自動化導入は、無理をせず、段階的に進めることが大切であることについても説明します。

目次
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自社の自動化レベルを把握する

なぜ“自社の位置”を知る必要がある?

コストを抑えるためにも、自動化は段階的に進めるべきものです。そのため、自動化を成功させるには、自社が今どこにいるのか、現状を正確に把握することが不可欠。現在の自動化レベルを把握できれば、どこに課題があるのか、どの工程から自動化を図るべきかが明確となり、必要な技術やノウハウ、相談すべき相談先も見えてきます。

ちなみに、自動化レベルの状態や特徴例を表に示すと次のようになります。

レベル 状態 特徴(例)
0 完全手作業 属人化/ばらつき/改善しにくい
1 一部装置導入 装置はあるが工程間にムリ・ムダ
2 工程連携あり 自動化装置がラインとして機能
3 自律・データ最適化 IoT/AIで稼働・品質・保守を最適化

この分類で見えること

自動化レベルには、全ての工程が人の手によるレベル0、機械や装置が一部導入されているものの、効率が良くないレベル1、装置がラインとして機能し、連携しているものの、最適化までには至っていないレベル2、IoTやAIを活用し、設備が自律的に最適化した状態であるレベル3があります。

自社が、いまどのレベルにあるのかを把握することにより、今何ができていて、次に何をすべきかが整理され、現実的なステップアップの検討が可能となります。

レベル別 導入ステップと考え方

レベル0▶1|まずは一部工程から

人手による属人性の高い工程に着目し、作業負担や品質リスクを減らす段階です。主な手段としては、組立治具や位置決めなどの作業補助装置、カメラやセンサーなどの単体検査機の導入。これらの装置は作業負担の大きい工程で使用されることが多く、導入前後で作業時間や品質、不良率の変化が明確に見えて、自動化の入口になりやすくなります。

レベル1▶2|工程をつなぐ

個別に自動化された装置を連携させて、ラインとしての生産効率や安定性を向上させる段階です。この段階では、個別工程における作業補助や自動化がそれぞれに独立しているため、装置間に人手が必要となります。例えば、搬送・排出・検査などを連動させるラインであれば、待機や移動の無駄がなくなり、工程間のバッファの最適化が可能です。

レベル2▶3|データとつなぐ

機械や装置のつながりを超えて、データによる見える化と判断に基づいて運用改善を行う段階です。具体的には、収集された、稼働率や停止理由、サイクルタイムなどの稼働データ、外観や寸法などの検査データ、振動や動作回数などの設備状態データを活用。これにより、品質向上・生産性・安定稼働の高度化を目指すことができます。

レベルアップに共通する考え方

自動化導入を急ぎ過ぎると、現場の運用スキルや理解が追い付かなかったり、コストだけがかかって形骸化したりなどの弊害が生じることがあります。成功のカギは、現場の現実、レベルをよく理解して、設備や人材の習熟度に合わせて導入すること。そのためには、無理をせず、今できる一歩を確実に積み重ねることが大切です。

池田金属工業/技術コラム(https://www.ikekin.co.jp/column/9924/)

キャットテイル/【工場の生産ライン自動化】自動化レベル・PLCで制御盤を小型化(https://www.cat-tail.co.jp/column/plc-factory-production-line/)

レベル別 “よくあるつまずき”と対策

レベル0:現場に危機感がない

「今までもこのやり方でやってきており、問題はない」という空気は、自動化導入を阻む壁となります。このままでは、自動化や標準化の必要性は認識されず変化を望まない、つまり現場に危機感がない状態が続くことに。現場に変化を促すためには、属人性やミス、品質やコスト面の無駄を可視化して、客観的に現実を直視する機会をつくることが効果的です。

レベル1:装置はあるが効果が出ない

装置はあっても効果的に使用されていない理由として、「操作が複雑で現場が使いこなせない」「メンテナンスやトラブル時の対応ができない」などがあげられます。対策としては、シンプルで直感的な操作に変更したり、保全マニュアルを整備すること。また、小さくても改善実績を可視化することで、活用すれば効果があることを実感させることなどが考えられます。

レベル2〜3:人が育っていない

設備だけが先行して人がついてこない段階では、「AI診断やデータ分析ツールを導入しても、使いこなせる人がいない」「データ収集はできているが、分析や解析、改善のための活用が属人的または外部依存している」などの現象が起きやすくなります。対策としては、マニュアルやトラブルログ、対応履歴の整備やOJTによる人材育成などの取組が効果的です。

キャットテイル/【工場の生産ライン自動化】自動化レベル・PLCで制御盤を小型化(https://www.cat-tail.co.jp/column/plc-factory-production-line/)

こんな症状があれば“ステップアップのサイン”

品質や生産性にばらつきがある

同じ製品でも仕上がりの品質や生産スピードが異なるという状態は、作業の標準化が不十分である明確な証拠となります。その理由は、設備の設定や使い方が人により異なる、品質基準が一貫していないなど。ばらつきは放置すれば、コスト・不良の原因となりますが、改善の入口であり、人の工夫や設備の最適化によって大きく改善する余地があると捉えるべきです。

自動機はあるが結局人が手を入れている

OK/NG仕分け、排出、補充などの作業に結局人手が介在している状態です。見かけ上は自動化が進んでいるように見えても、実際は人が工程のつなぎ目を埋めています。また、本質的な改善は進んでいない状況であるため、品質のばらつきや人為的ミスが起きやすくなることも。そのため、ライン全体としての最適化を図るための改善の視点を持つべきです。

データを取っているが使えていない

稼働・検査・不良に関するデータを収集できても、分析や活用につながっていない状態。そのため、データの蓄積はあっても、分析や改善に活かされておらず、「設備停止や異常の兆候に気づけない」「品質の変動の原因を追究できない」ことも。データを「見る・使う・活かす」体制が整っていないのであれば、次のフェーズへの移行が必要であると判断できます。

まとめと次の一歩

まず“今どこにいるか”を知るのが第一歩

工場ライン自動化は、現実を直視し、自社が今どの段階にいるのかを正確に把握することが重要です。理想を追い求めすぎて無理をすると、現場との乖離が生じやすくなります。そのため、小さな実績や成功を積み重ねながら段階的にレベルアップを図ることにより、成功率を高めることにつながるでしょう。

工場の自動化は工程ごとに課題も進行度も違います。

このサイトでは、工程別におすすめの相談先企業を紹介しています。「うちの場合、どこから始めればいい?」「どのようにレベルアップすればいい?」と悩んでいる方は、ぜひこちらを参考にしてください。

工程別に考える、
自動化成功ポイントとは?

今自動化したい工程には、その工程ならではの課題があるはずです。だからこそ、各工程の悩みに応じた実績やノウハウを持つ企業に相談することが、現場の負担を減らし、効率的に稼働できる自動化への近道になります。

当サイトでは、構想段階で不安の多い工程でも、自社の状況に置き換えやすい事例を提示できる、工程ごとの強みと対応力を持つ3社をピックアップしています。ぜひ参考にしてみてください。

【東海版】
工程ごとに選べる

現場課題に強い3社

工場ラインの自動化では、工程ごとに「属人化」「スペース制約」「精度の安定」など異なる悩みがあります。設計・提案だけでなく、現場ヒアリングから設置・保全・アップデートまで一貫対応する企業こそ、課題を根本から解決できます。

ここでは、そうした対応力を備えた東海エリアの3社を工程別にピックアップしています。

検査
熟練検査員レベルの
検査ラインの自動化を実現
サカエ
検査/導入前イメージ 検査/導入後イメージ
特徴

不良品の検出には、工程ごとの流し方・止め方・向きといった動きの把握が不可欠。サカエは、検査を含む多様な工程で150社・1500台超※の自動化設備導入を支援してきた知見から、成立条件を踏まえた提案が可能です。

特定メーカーに縛られない提案型商社として、機器やソフトを柔軟に組み合わせ、属人化しがちな検査工程も、再現性ある仕組みとして構想・テスト・設置まで一貫対応します。

搬送
省人・省スペースな
搬送ラインの自動化を実現
TO WARDS-FUTURE
搬送/導入前イメージ 搬送/導入後イメージ
特徴

スペース制約が課題となる搬送工程では、装置の動きを踏まえたレイアウト構想力が求められます。TO WARDS-FUTUREは、専用コンベアからAGV/AMR/AGF、多軸ローダまで柔軟に選定し、搬送ルートや配置をゼロから設計します。

レイアウト条件に応じて、搬送手段そのものを柔軟に設計できるため、現場に適したライン構成を、既製品にとらわれずに実現します。

組立
多品種にも柔軟に対応できる
組立ラインの自動化を実現
名古屋精工
組立/導入前イメージ 組立/導入後イメージ
特徴

段替えや品種切替が前提の組立工程では、装置の柔軟性は必須。名古屋精工は、ロボットハンドを含むフルオーダー設計により、多品種・小ロットに対応した段替えレスのシステムの製造実績が豊富。

製品変更や他社機の改造にも柔軟に対応できる体制で、変化が前提の現場でも、将来を見据えた組立自動化を構築します。